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三月二七日、会計Uさんのご自宅で鍋パーティーが開かれました。先月のUぴょん会と同じであります。Uだけに『集合』だと考えてしまうのは……数学のやりすぎでしょうか。分かる人には分かるネタであります。
当日は16時に集合という予定。しかしここはマジメな書道部員。わたしが和室へ赴くと、一〇人以上の部員たちが昼間から書道の練習に励んでいました。畳の匂いに墨が混ざり、静かな雰囲気の中、腕を動かしています。書道部の未来は明るいなあ――などと考えてしまいます。
集合した後は、四月の花見の話でもしながら関スーへ。無造作にタンパク質の塊を放り込む主将をみんなは生暖かい目で見つめ、彼がカートを離れた隙にこっそり返却に走ります。後にこれは主将からも称賛されます。
買い物後にたどり着いたUぴょん宅は、以前と変わらずキレイに掃除されていました。カーテンもトイレもオレンジ色。○根野谷嬢が残した女の影、花がらの気泡緩衝材もそのまま。変化していたのはベッドのパンダや本棚の銀魂くらいです。
しかし警部らによって黒いリボンのついたシュシュが発見されたときは「Uぴょんが女を連れ込んだ」と大騒ぎ。本人は必死に否定しますが、優秀な二回生七名を騙すことなどできません。問い詰め、追い詰め、拷問し……ようとしたのですが、○根野谷嬢が――彼をかばうように――自分のものだと言ったので、騒ぎは鎮火してしまいました。真相は二人のみぞ知るコトです。
調理開始。きょうは○根野谷嬢が張り切っており、ネギを鋭角に切り刻みます。ラブシャウターさんは彼女の張り切り具合を見るやいなや、台所でできることがないと判断し、リビングでテーブルクロスやコップの準備をしていました。部員旅行でもそうでしたが、ラブシャウターさんは周囲を見てから行動するのがとても早いですね。信頼できます。
やがてみんなで「乾杯」。ちなみに英語圏だと『乾杯』を『Cheers』と言うそうです。さらに、直前にジョークをおりまぜながら――どうでもいいことですね、すみません。
きょうのダシは先月の反省点を活かし、かなり多めです。うどんは少なめ、○子さんも少なめ。
食事中の話は、主に追いコンや深夜に行われるサッカー、来月の花見に関すること。ほかに平凡なことなら、渉内Iさんの髪より総務さんの髪のが短いこと、新聞をもらえるゼミがあること、水菜に春菊の好き嫌い、そうめん、フットサル、家族の話。途中でラブシャウターさんが主将に「脱げよ」と言ったのは衝撃的でした。
話は途中から春学期の時間割に関することへすり替わっていました。発端はだれか存じませんけれど、この辺りもさすがマジメな書道部員だと感じました。それから1時間ほど、講義に関する話ばかりです。わたし、同じ学科の総務さんがいなければ孤独感で即死するところでした。
楽しい時間はあっという間に過ぎるもの。夜9時半になったころ、パーティーは解散となりました。
しかし帰り道、ラブシャウターさんが忘れ物をしたようで。渉内Iさんの腕を引き、急いでUぴょん宅へ足を戻していました。彼女らを待つべきかは悩みましたが、○貴さんがサッカーを見たいとのことなので、我々は帰宅を選びます。
ところで、ラブシャウターさんの忘れ物とは何だったのか。わたしと主将はてっきりBL系の漫画だと思って思っていたのですが、○根野谷嬢と○貴さんが「違う」と明言してくれました。ほっと一安心です。
最後に。
○貴さんの手作りクッキーがすごく美味しかったです。味見をしていない、と本人は言っていましたが、その自信が羨ましいです。
場所を提供してくれたUぴょんにも感謝です。また次回、Uぴょん会が開かれるのを楽しみにしています。